ハワイ島てんやわんの楽園生活

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★火山の女神ペレのたたり

 ハワイ島で溶岩のかけらなどを拾って持ち帰ると、火山の女神ペレのたたりがあるといううわさがある。実際にそうして不幸にあったケースもあるらしい。

 我が家の近くのカポホでは1960年に溶岩流出があり、村が全滅したらしい。溶岩が流出する前日に汚い格好をした老婆が一晩泊めて欲しいと言ってすべての家を回ったそうだ。しかし誰も泊めてくれなかったという。老婆は最後に海のそばの灯台に行って泊めてもらったらしい。

 翌日から始まった溶岩流出でカポホのすべての家が溶岩流に飲み込まれ、焼失してしまった。溶岩は灯台の付近まで迫ったが、二手に別れ、灯台を避けて海に流れ込んだそうである。その灯台は現在も残っている。クムカヒ灯台だ。その老婆が実はペレであったという言い伝えが残っている。実際にはそんなことはなかったのかもしれないが、それに近いことがあって、尾ひれがついたのであろう。

 カポホの近くにある家で夜寝ていると、空に光が走ることがある。灯台の光だろう。耳を澄ませば太平洋の荒波が岩にぶち当たる音も聞こえる。

 昔この近くでレイプ殺人事件が起きた時、ここに住んでいた女性はハワイ人のボーイフレンドから護身用にガンを持った方がいいと勧められたが断ったらしい。そこで彼はガンの代わりに番犬になりそうな子犬を連れて来た。子犬といっても大きな犬だった。足が細くて長く、全身が黒く、耳などに一部茶の部分があった。ドーベルマンのような犬だった。

 この犬には人に飛びつく癖があった。この犬に飛びつかれるとシャツが泥だらけになってしまった。それをやめさせるために、殺虫剤を吹きかけた。それでも殺虫剤がないと飛びついてきた。見知らぬ人が来たことがあるが、そのときもその怪しい人物に飛びついた。その男が人の名前を言って、いないか聞いたので、そんな名前の人はいないと答えると、犬に飛びつかれながら、慌てて出て行った。

 この犬を毎日散歩に連れ出した。めったに車は通らないが、それでも車に出くわすと、通り過ぎた車を追っかけながら吠える習性があった。紐で結ぶようなことはしなかったので、僕が先に歩き、この犬が追いかけてくるという形の散歩だった。ある日家の前で両方から車が近づいてきた。その犬はドライブウエーを家の方に猛烈な勢いで逃げ帰った。臆病な犬だと思った。

 犬の散歩ではいつも溶岩が流れてできた台地に行った。そこは硬い溶岩ばかりではなかった。砂よりは大きいが小さな粒の火山噴出物がたまった場所もある。これはシンダーといってドライブウエーに撒いたりする材料になる。販売もされている。犬はシンダーのくぼみの中にウンチをして、用を足した後ウンチの上にシンダーを掛けた。利口な犬だと思った。

 海の方に行くと例の灯台がある。確かに灯台は溶岩に囲まれていた。よく助かったものだと感心した。

続く

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