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10年以上前、ハワイ島に行くと必ずゴルフに出かけた。そのためにクラブを入れたゴルフバッグをカポホの家に置いていた。当時のホノルル空港は国内線の乗り場が離れており、バスに乗ればいいのによく分からなかったため、ゴルフバッグとほかの荷物を担いで、汗だくになって国内線の乗り場に歩いて行った記憶がある。
朝8時ごろ家を出発すると、8時半ごろにヒロ公営ゴルフ場に到着した。混み合っている土日には行かなかった。平日だとすぐにスタートできた。まず受付に行って名前を書き料金を渡して順番を待つことになる。料金は最初に行った時は、ビジターかと聞かれたので、観光客かと聞かれたと思い、つい違うと答えてしまった。そのために料金は4ドルになった。実はレジデントの料金は4ドルだが、そうでない場合は6ドルであることが後で分かった。その後はいつも6ドル払うことになった。運転免許証などを見せないと、ビジター扱いにするようになったようだ。
その場ですぐスタートできると言われることもあった。そうでない場合でもすぐにアナウンスしてくれた。スタートする前にカートを借りなければならない。乗用カートもあるが、僕はいつも手で引っ張るプルカートを借りた。受付の隣の建物内にプロショップがあり、店員にプルカートを借りたいといって2ドル出すと、プルカートのハンドルを渡してくれる。それを建物の前に置いてあるプルカート本体に取り付けて使う仕組みになっていた。
自分のカートを持ち込んでいる人もいた。バッテリー駆動のプッシュカートを持ち込んでいたおばあさんがいたので、感心して見ていると、そのおばあさんが笑ったのをよく憶えている。最近僕はゴルフをしていないが、ウオールマートでプルカートを売っていたので、買った。将来ゴルフをする時は、それを持ち込むつもりだ。70ドルぐらいだった。35回以上行くと元が取れる。
それにしてもカウンティ政府の財政事情は厳しいようで、このゴルフ場の料金値上げも避けられなかったようだ。ホームページで確認すると、現在のビジター料金は20ドルになっていた。
ゴルフ場ではいろいろな人とプレイした。片腕のないかなり年配のおじさんと一緒にラウンドしたことがあるが、その人の顔はこのゴルフ場でいつも見かけた。よほどゴルフが好きなのであろう。飛距離は出ないが、確実にボールを前に飛ばすので終わってみれば、結構いいスコアを出していた。1年間有効なパスのようなものを買っているのだろう。
スタートホールのティーグラウンドで10回以上空振りした若い男ともラウンドした。ティーから落ちたボールをティーに載せ直して何度もスイングした。生まれて初めてだったのかもしれない。友人たちと一緒だった。そこに僕が割り込んで回ったのだ。だんだんよくなってはきていたが、最後まで空振りをしていた。意図的に空振りをするのではなく、打つつもりでスイングしたクラブが玉に当たらないのである。途中でその男からだんだん調子が上がってきたねと話しかけられたのには驚いた。そんな状態でも他人のプレイを見る余裕があったのだ。
ある時一人で回っていると、後ろから追いついてきた人が一緒にやろうというので、一緒に回ったこともある。彼は元ヘリコプターのパイロットをしていたが、墜落して怪我をしたこともあると言った。現在はフライトインストラクターをしているので、飛行機の免許を取ろうと思ったら来てくれと言って、名刺をくれた。ゴルフ場でも営業活動をしなければならないほど、客が少なかったのかもしれない。彼は9ホール回った後、用があるからと言って帰った。
ソックスを履かないで行ったことがあった。途中でかかとにまめができるというアクシデントが起きた。裸足になってプレイを続けたが、乗用カートに乗っていた黒人のおじさんが見かねて乗用カートに乗るように言ってくれた。言葉に甘えて残りのホールを乗用カートに乗ってプレイした。
このゴルフ場にはバンカーがなかった。両岸がごつごつした岩でできた小さなクリークはいたるところにあった。その中に水はなかった。雨が降ると水がたまるのかもしれない。大きな木がたくさんあった。木の下に小鳥のヒナが落ちているのを見つけたことがある。そのままにして通り過ぎたが、人に踏まれないところに移動させておけばよかったと後で後悔した。
18ホールを回り終えると、ちょうど昼前だった。料金は支払済みなので、どのようにして終わろうと勝手のようだ。もう1ラウンド回ることも不可能ではない。僕はいつも1ラウンドでやめた。プルカートにバッグを載せたまま車のところに行き、バッグを車に積んでから、プルカートをプロショップ前に引っ張って行って返した。返えすことを誰にも言う必要はない。
その後、Puainakoタウンセンターに行って、焼き飯か焼きそばに中華のおかず2品か3品を選ぶ方式のランチを食べた。その店は一時閉店したようだが、最近また営業をしているのを見かけた。経営者は変わっているのかもしれない。
ハワイ島でゴルフをするようになってから、日本ではゴルフをする気にならなくなった。会員が多いと悪名高かったゴルフ場では、会員になっているのに予約が取れず、休日にゴルフをするためには、朝6時前にゴルフ場の玄関前に並ばなくてはならなかった。それでもスタートは11時ぐらいになった。冬は日が暮れる前に18ホールを終えることはできなかった。
それでもプレイ代は食事を含めると1万円近くかかった。そのため弁当と水を持参するようになったが、それでも5千円以上取られた。その後ハワイにしばらく行かなくなったが、日本でゴルフをする気にはまったくならなかった。
それまでにゴルフ会員権はすべて売り払った。最初の2口は儲かったが、最後まで持っていた会員権は預託金の返還を求めることになった。現在分割返還を受けている最中だ。その返還も予定より大幅に遅れている。あのゴルフブームはいったいなんだったのだろう。不思議な気持ちになる。