ハワイ島てんやわんの楽園生活

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★裁判で白黒をつけたがる傾向

 ヒロで発行されている新聞記事によると、落下したココナツ椰子の実が当たり怪我をした女性が、そのココナツ椰子の木が生えている隣の土地の所有者を相手に訴訟を起こしたということだ。

 カポホの近くにある僕の家にもココナツ椰子の木が相当数ある。ココナツ椰子の木は結構高くなる。10メートルは簡単に超える。ココナツ椰子の実のなる様子を観察すると、木の最上部の葉っぱの根元の部分に小さな実が無数になっており、それらがだんだん大きくなるようだ。季節に関係なく年中大きな実がなっている。大きな実の殻の色がグリーンから茶色に変色するころ、自然に落下する。以前その家に滞在中毎日何回かドスンという音がするので何かと思って調べたら、落下したココナツ椰子の実が地面にたたきつけられる音であることが分かった。その実が落ちた時に誰かに当たり怪我をすると訴えられる可能性がある。

 子供が敷地に入り込んで怪我をすると、理由がどうであれ土地の所有者は訴えられる可能性がきわめて高い。だから子供が入らないようにしなければならない。しかし、現実には難しい。2800坪ある敷地に柵とか塀を作るとなるととてつもない金がかかる。昔カポホの家に滞在していた時には、隣の子供たちがいつも僕の家の裏庭を横切っていた。道路を通るよりも安全だし、近道であるからだ。僕がいても平気でハイ、ナイスハウスとか言いながら、僕の目の前を歩いて帰宅していた。そこを通るなとは言えなかった。

 以前僕の許可を得てこの家に住んでいた女性と、その女性が本土に働きに行っている間にその女性から頼まれてこの家に住むようになった女性が、どちらがこの家に住む権利があるかで、裁判沙汰になったことがある。

 最初にこの家に住むようになった女性は、たまたまこの家の隣に住み込んでいた女性だ。隣の家の所有者は僕の家の売主だったが、僕にこの家を売却した後、しばらくしてカウアイ島に引っ越したそうだ。空き家になったその家は別の人に貸していたそうだ。その女性はその借主から1部屋を借りていたのである。

 その女性は僕が時々その家に滞在しているのを見かけたらしい。ドアに日本の住所をを書いた張り紙をしていたので、それを見て僕に手紙を寄こした。自分がその家の面倒をみるからただで住まわせて欲しいという内容だった。僕もその家をもてあましていたころだったので、渡りに船の思いで了承した。彼女はシカゴ出身でダンス教習の資格を持っており、ダンス教室を主宰していた。しかしそのビジネスもうまく行かず、カリホルニア、ニューヨークと出稼ぎに行かざるを得なくなったようだ。その間別の女性に僕の家の管理を任せたようだった。

 そのころ僕は数年間ハワイに行かなかった。そのため彼女もそうした事情を僕に連絡していなかった。そんなある時、銀行口座を開くためにオアフ島に出かけた。クーポン航空券を持っていたのでハワイ島にも飛んでみた。カポホの自宅に立ち寄ってみると、誰もいなかったが、様子がずいぶん変わっていた。庭にも室内にも仏像らしきものがたくさん置いてあった。玄関の両脇にはカラフルな民族衣装を身に着け踊っているインドネシア女性らしき姿を描いた細い板がかけられていた。

 家の周りの雑草はきれいに取り除かれていた。そこにあった線路の下に敷かれるような石ころの代わりに玉砂利が敷き詰められていた。裏庭の雑草もきれいに刈り取られていた。パパイアやアボガドがあちこちに植えられていた。もともとあったレモンやスターフルーツの木も手入れが行き届いているようだった。最初の女性が住んでいたころは、家の周りも裏庭も雑草がぼうぼうと生え、僕が滞在中に知り合いのハワイ人に刈ってもらうという状況だった。しかもガス湯沸かし器が壊れたとか水タンクのライナーを交換しなければならないとかプロパンガスのタンクを買ったとか言って費用を請求された。発電機が欲しいと言うので一緒に買いにも行った。もちろん僕が全額支払った。

 そういう事情でその家に別の人間が住んでいるようだったが、それほどいやな気持ちにはならなかった。帰国してから手紙を出すと、すべての事情が分かった。

 それからまもなくして出稼ぎから帰った女性とそこに住んでいる女性の間でどちらがそこに住むかで争いが起こった。ただで住める家が簡単には見つからないとでも思ったのだろうか。連日両者から手紙が来た。互いに誹謗中傷する内容だった。出稼ぎ帰りの女性が相手の女性に対し敷地に入らないように求める命令を裁判所から取り、まもなく裁判が始まった。その時民事の争いで警察官を呼ぶ場合は費用がかかることを知った。僕は後から住むようになった女性を応援することにして、彼女が考案した文章を書いてサインした紙をファックスで送った。裁判に提出するための証拠資料だ。あっさり彼女が勝ってそれまで通りそこに住むようになった。

 現在もその人がカポホの家に住んでいる。将来その家を彼女に売る約束をして、今は毎月500ドルの家賃をもらっている。最近彼女は年金受給開始年齢を向かえ、家賃を払えるようになったからだ。電気や電話や水道はないが彼女は本当にその家が気に入っているようだ。ニューヨーク出身で、テキサスで育った後、ハワイに移ってきたようだ。近所に2人の息子夫婦も住んでいる。マウイ島には娘夫妻も住んでいる。ハワイが気に入り一家で移ってきたというわけだ。

 なんでもかんでも裁判沙汰にすると、裁判所も大変だ。そこでつまらないことを裁判にすると、何万ドルもの罰金を取られることもある。そうでもしないと収拾がつかなくなるということだろう。

続く

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