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少し前、ハワイの運転免許を取ろうと思い、どこの本屋でも売っている運転免許試験問題集を買って読んだことがある。気になったのが、スクールバスが停車しているときの対応方法だった。同じ車線の前方にスクールバスが停車している時には、スクールバスが発車するまでバスの後方で待たなければいけないのは、すぐに理解できた。バスが赤ランプを点滅させているときは、反対車線の車も一時停車しなければならないとも書いてあった。
ある日、愛車のトラックを走らせていると、前方左手の反対車線にスクールバスが停車していた。子供が降りているようだった。赤いランプが点滅していた。問題集に書いてあったのと同じケースだったので、念のために僕は少し手前でトラックを停車させた。
すぐに中学生ぐらいの女の子がバスの前を通り、さらに僕のトラックの前を通り、道路を横切った。横断歩道も何もないところだった。女の子が道路を横切ったのを確認して、そのスクールバスは赤色ランプを消し発車した。その際スクールバスの運転手が僕に向かって手を振っていた。感謝の気持ちを表しているようだった。僕も無意識のうちに手を振っていた。しかし、停車しないと、危ないとこだったと後で冷や汗をかいた。
ハワイ島にはHele-On Busという公共交通バスがあるが、ルートや運行本数が限定的であるので、子供が学校に通うにはスクールバスを利用するしか手段はないといっていい。その代わりスクールバスは相当発達している。とにかく黄色のスクールバスをよく見かける。朝早くから夕方まで、ひっきりなしに走っているという印象を受ける。
スクールバスの料金は最近値上げされたようだ。それでも赤字は避けられないという記事を新聞で読んだ。スクールバスの運転手がストをしたこともあったようだ。スクールバスを運行する会社が変わったことも報じられている。スクールバスの経営も大変なのかもしれない。もちろん州の教育局が補助金を出しているのだろう。
学校に通う子供がいるところにはどんなところでも来てくれるようだ。さすがに我が家の前のガタガタ道には入ってこないが、舗装道路との交差点のところには来るようだ。愛車のトラックを修理に出すため、午前7時ごろ、そこを通りかかった時、黒人の中学生ぐらいの男の子が傘を差して、スクールバスを待っていた。僕が手を振ると、彼もぎこちなく手を振って笑った。
彼がでこぼこ道の奥の方に住んでいることは、何日か後の午後3時ごろ、彼がその道を奥の方に向かって歩いて帰っているのを見かけたので分かった。僕はちょうど今は使っていないドライブウェー出口付近の高木の林の開口部にいたので、彼を見てまた手を振った。今度は彼も自然な感じで手を振り返してくれた。
このでこぼこ道は奥に住んでいる人にとっては、毎日利用しなければならない道路だ。車に乗って通り過ぎる人の中には、僕を見かけると必ず手を振る人もいる。なかには黒いガラスで車の中が見えないようにしている人もおり、手の振りようもない場合もある。
でこぼこ道を通って舗装道路に出るとき時や帰る時、その間に家が3軒あるが、僕は住人を見かけた時は必ず手を振って挨拶している。これは近所の人に敵意がないということを示す重要なジェスチャーだと思う。ハワイにはいろいろな人種が住んでいる。ちょっとしたことで誤解を与えることもあるかもしれない。手を振るぐらいで誤解を招かないようにすることができるのなら、安いものだと思って積極的に手を振ることにしている。