ハワイ島てんやわんやの楽園生活

017

★ねずみとの闘い

 裏の畑の中では数回ねずみを見かけたことがあったが、建物の周辺ではねずみを見かけたことはなかった。ある夜、裏口を出て左手にあるトイレを利用しようとして、ドアを開き、蛍光灯を点けたところ、トタン屋根のすぐ下の横木の上にねずみがいるのを発見した。床でも黒いものが動いたような気がした。ねずみがいることが確認できた。そういえばあちこちに小さな黒いものが転がっていた。ねずみの糞のようだった。何とかしなくてはならないと思った。

 翌日早速ACEに行って、ねずみ退治の商品を探した。えさでおびき寄せ強力なばねでねずみを挟んで捕らえるわなと、ゴキブリを捕らえるのと同じ方式の厚紙にねばねばを塗ったわな、それに毒えさがあった。とりあえず残酷に思われたばね方式のわなは除き、ねばねばわなと毒えさを買って帰った。

 まずねばねばわなを屋根の下の横木の上に仕掛けてみることにした。暗くなってから、裏口のドアを開けると、ガサゴソ音がするので、慌てて蛍光灯をつけると、コンクリートの床の上に、ねばねばわなを体にくっつけたねずみがいた。僕が近付くと、ねばねばわなを体にくっつけたまま、ポンプ小屋の方に必死で逃げた。明日朝には弱っているだろうからと思い、それ以上は追いかけないで、寝ることにした。

 翌朝、ポンプ小屋の戸を開けて覗いてみると、ねばねばわなだけが残されていた。ねずみの姿はなかった。残されたねばねばわなをよく見ると、ねずみのものと思われる毛がねばねばの表面にびっしり付着していた。ねずみには逃げられてしまったが、これに懲りてねずみがこの家に近付くことはないだろうと思った。

 しかし、その日夜、懐中電灯を持ってポンプ小屋を調べると、トタン屋根のすぐ下の横木にねずみが来ていた。昼間見たときにはいなかったので、夜になって来たのだろう。ライトで照らしても少し動いたが、逃げようとはしなかった。明日はもう一度ねばねばわなをポンプ小屋に仕掛け、毒えさも使おうと思った。

 ねずみはポンプ小屋の中に保管していた鶏のえさを狙っていたようだ。これまでふたをよく閉めていなかったので、プラスチック容器のふたが開いていたこともあった。えさがその周りにこぼれていることもあった。ふたの上に小さな岩を置いておくことにした。

 鶏のえさは時々我が家に来る鶏のために買ったものだ。飼い主がいない鶏のようだ。初めは3羽いたが、その後2羽になった。いつも一緒に来る。1羽は犬に食べられたのかもしれない。白い大きな犬が夜中に敷地に入ってきたのを目撃したことがある。僕の寝室の外壁にモーションセンサー付きの照明を取り付けているのだが、それがある日の真夜中に突然点灯した。慌てて窓からのぞくと、白い大きな犬が左手を道路の方に歩いていた。

 翌日、ポンプ小屋の床に直径25センチぐらいのクッキーの缶のふたを置き、鶏のえさと毒えさを混ぜて入れた。毒えさだけでは食べないと思ったからだ。その周りにはまだ残っていたねばねばわなをねずみでも通れないように置いた。えさを食べるためには、ねばねばわなの上を歩く以外に方法はないようにした。

 日が暮れてから、ポンプ小屋をのぞいてみると、ねばねばわなが少し動いており、ねずみが自由にえさを食べられるようになっていた。上の方の横木をライトで照らすと、いつもの大きなねずみのほか小さなねずみもいた。えさをチェックすると、青緑の毒えさはあまり減っていないような気がした。

 ねずみに馬鹿にされているような気がしたので、腹が立った。洗車用のホースをポンプ小屋に引き込み、ねずみどもに水をぶっかけてやった。さすがにねずみも驚いたようすで、必死で逃げ回り、ポンプ小屋から出て行った。これでポンプ小屋には来なくなるかもしれないと思った。

 翌日夕食を済ませて、日が暮れてから、ポンプ小屋をのぞいてみた。なんと今度はねずみが1匹増えて3匹になっていた。少し怖くなってきた。

 ねばねばわなはこれらのねずみにはまったく効果がないようなので、毒えさだけで退治することに決めた。毒えさを買い増し、ポンプ小屋の床に大量に置くことにした。鶏のえさに混ぜるというような姑息な手は使わないことにした。

 翌朝えさの状態を見ると、食べていることがはっきりした。青緑の糞もあちこちに落ちていた。相当食っているようだ。毒えさの説明書をよく読むと、この毒えさは効果が現れるまでに数日かかると書いてあった。

 数日後、暗くなってからポンプ小屋を調べると、ねずみは2匹になっていた。大きいねずみはいなかった。

 ある朝、ポンプ小屋のそばにいた時、ねずみがポンプ小屋の樋を伝わって屋根の上に出ようとして失敗し、樋の端にぶら下がった状態になったのを見つけた。そのねずみはすぐに地面に落下した。生きていたが、もう自由に動くこともできなくなっていた。毒が効いてきたのだろう。ごみを挟むトングでつまんで、草薮の中に放り込んでやった。

 その夜ポンプ小屋を調べると、まだねずみは1匹いたが、毒えさがまだあったので、そのままにしておいた。しばらくするとねずみの姿が見られなくなった。毒えさは当分ポンプ小屋に置いておく事にした。 

続く

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