ハワイ島てんやわんやの楽園生活

008

★水タンクが突然破裂して水がなくなる

 2002年12月28日の夜、突然水タンクが壊れるという想像も予想もしなかった一大事が発生した。夜8時ごろ、1階の自分の部屋にいた時、これまでに聞いたことのないようなゴーという音が聞こえた。それほど大きな音ではなかったので、その時はそれが何の音だったのか確認しなかった。午後10時ごろになって、1階外のトイレを使用した際、いつもは数分間だけ断続的に作動するポンプが連続運転しているのに気付いた。

 不審に思ってポンプ小屋のほうに近付いたところ、ポンプ小屋の先にある水タンクの胴体部分である金属板が畑のほうに広がっていた。ライトを持ってタンクのそばまで行ってみると、タンクは完全に壊れており水はなかった。タンクがあった場所には裂けてぺしゃんこになったブルーのライナーが残されているだけだった。胴体部分の金属板はつなぎ目がはずれ、両側に大きく開いた状態になっていた。

 これまで水漏れや水不足を心配していたことが、馬鹿らしく思えた。一体どうしたらいいのだろうかと一時放心状態になった。ポンプが運転を続けていたので、配電盤のスイッチを切って、とりあえずベッドに入ることにした。明るくならないと作業ができないからだ。ベッドの中でいろいろ考えた。タンクの残がいを片付けることが最優先課題だと思った。それからタンクを買いに行こう。タンクがないと生活ができない。いろいろ考えているうちに、外が白み始めた。

 簡単な朝食を取って作業に取り掛かった。まず胴体部分の金属板を取り除くことから始めた。長さ17メートル幅120センチの金属板にはところどころに支柱用の細長い箱状の部品がついていたので、初めにそれらをすべて取り外した。ネジで固定してあったので、ドライバーで簡単に外れた。つぎに金属板を2、3メートルの長さに切って除去することにした。木の枝を切る大きなハサミが役に立った。最後にライナーを取り除いた。タンクの跡地には砂が敷き詰められた円形の地面が出現した。ポンプ小屋の傍には水を取り入れるプラスチックのパイプがぽつんと立っていた。

 タンクの胴体部分を構成していた金属板はポンプ小屋とは反対側で接続されており、その部分が外れて水は畑の方向に向かって流れ出たようだった。そのためポンプ小屋や家にはまったく被害がなかった。金属板の外れた部分には傷らしいものはまったくなく、両端を固定していたと思われる部品も見当たらなかった。さびた金属の板ようなものが少し残っていたので、それで固定されていたのかもしれない。それと支柱、それにライナーが水の圧力を支えていたのだろう。

 タンクがないと、トイレもシャワーも使えないし、手も洗えない。もちろん食器も洗えない。大至急新しいタンクを買わなくてはならない。ところがこの日は日曜日だった。念のため以前タンクのカバーを買ったキャッチメント専門店に行ってみたが、やはり休みだった。明日出直すことにして、当面の水を確保することにした。

 ハワイ島には何カ所か無料で水道水をもらえる場所が道路の路肩に設置されている。何年か前、火山灰のせいで雨水に鉛が含まれているという研究結果が発表され、その緊急対策として設けられた施設である。ハワイ島の水道復旧率は低い。何千軒もの家がキャッチメントを利用している。だから大勢の人が道端で水道水をさまざまな容器に入れている姿はよく目にしていた。

 それまでは地元民のための施設だからと思って一度も利用したことがなかった。しかしこういう状況に追い込まれてしまったので、思い切ってその水をもらうことにした。ウォールマートで水を入れる容器として使う30ガロン入りのプラスチック製ごみバケツ、それに水を蛇口からバケツに移すためのホースを買った。

 帰宅途中、早速水をいただいた。食器を洗ったり、手やを洗ったりするのに使った。飲み水はいつも1ガロン50セントで買っている。その水はダイニングに置いたプラスチック製の円筒形容器に入れて使っている。

 明日は12月30日だ。タンクを買いに行かなければならない。  

続く

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